『鬼武者』開発者トークライブ内容

２０００年４月１日と２日に行われた『鬼武者』開発者トークライブですが、
１日の分を掲載します。

トークはお馴染みの稲船敬二プロデューサーが答えています。
当日は鎧を着て登場。重さと照明の暑さも加わって本当にかなり汗をかかれて
いました(^^;

背景はバイオと同じレンダリングでやってます
−背景のグラフィックがメチャクチャ凄いですね!?
そーですねー。背景が…だけじゃなくて全部凄いんですけども…
背景はバイオと同じレンダリングでやってますからポリゴンの数というのは考えなく
ていいですよ。これをフルポリゴンでやった場合はポリゴンの数でPlayStation2(以下
PS2)といえども制限がありますので(レンダリングでやった方が)かなり綺麗にできま
すね。
−ゲームと思えないですものねー
CGムービーの場合もポリゴン数を考えずに作っています。
(CGムービーに)合戦シーンが出ていますけど1200人かな？出しているので…
ゲームでは1200人も出せないですから
−鬼武者だからそれだけの人数が必要だったという事ですか
そうですね。合戦シーンを表現したかったところでCGムービーにするしかなかった…
こうゆう人数は出せないんですよ、やっぱ。

『信長』自体をバケモノに今回しちゃってます
−それと敵ですが人間じゃないみたいな…ちょっと「気持ち悪い」みたいな…
そうですね。ちょっと…というかかなり「不気味」みたいな。
−正体はなんなんですか？
やっぱりですね。(主人公は)敵が強ければ強いほど立ち向かっていくカッコよさとい
うものがあるじゃないですか？
だから(敵は)人間よりも斬っても斬っても向かってくるバイオモンスター？っていう
感じ？地獄から這い上がってきた様なヤツにして…
−つまりやっつけ甲斐のあるキャラクター？
『信長』自体をバケモノに今回しちゃってますので、その兵隊達も全員バケモノにし
ちゃっています。

バイオハザードと基本的に操作はいっしょですね
−操作の方は難しいんじゃないでしょうか？
映像を見ていたらちょっと難しそうに見えるんですけども、結構簡単にできますよ。
「チャンバラをやらせる」という事で難しいアクションと考えがちなんですけど、そ
うしちゃうとですねーやっぱ楽しめないですよねー
「ゲームが大好きで大好きでたまらない人しか出来ないゲーム」というのはそら有っ
てもいいですけど、『鬼武者』はやっぱり「誰でも楽しめるゲーム」というのにした
かったので、かなり操作系は簡単にシンプルにしています。だから『複雑にやってい
る様に見えるんだけども、操作は簡単』をめざしていますので…かなりねー、やって
もらったら分かると思うんですけども簡単ですよ？基本的に１ボタンで出来ますし、
バイオハザードをやっていれば銃を撃つ感じで…
−という事は(バイオハザードと)基本的に操作はいっしょ？
いっしょですね。

戦国時代を忠実に再現しています
−CGムービーなんか本物そっくりに見えますねー
これかなりねー戦国時代を忠実に再現しています。
先ほども聞かれたんですが、「なんで(城の板間は)畳じゃないんですか？」と言われ
たんですが…戦国時代には(城には)畳は無いんですよね。(当時)畳がなかった訳じゃ
なく敷いてないんですよ。江戸時代になるとちゃんと城に畳を敷くんですが、戦国時
代には城には敷かなかったんですよね。
だから他の戦国時代のゲームで城に畳が敷いてあったらそれはウソです(笑)

200人だと音が厚く…重厚に、凄くいい音になるんですよ
−それと先程から流れているこの曲(RISING-SUN)ですが…
これねー凄く耳に残るように、凄くいい音楽にしてもらったんですけど…だからこの
曲が始まるとすぐ「鬼武者だ！」と分かると思うんですよ。
これ、フル・オーケストラで…しかもフル・オーケストラというと普通70人とか多く
て100人という編成なんですけど、200人…通常の２〜３倍使っています(笑)
200人だと音が厚く…重厚に、凄くいい音になるんですよ。

−和楽器がところどころ聞こえてくるんですけれども？
ですね。普通オーケストラに和楽器は当然ないんですけど、200人中50人和楽器の奏者
を入れてやってもらったんですけれど、その和楽器の奏者の人も…人間国宝とかその
楽器を弾かせたら日本一(つまり世界一)の人にやってもらったんで、凄くいい音にな
っているんですよ。
−じゃ、曲を聞くだけでも楽しめると？
ゲームって『総合』じゃないですか？
絵もよくて、遊んでも楽しくて、操作系もよくて、当然音楽もいい…
絵だけをよくしてもいけないなーということで、ヤッパ音楽もよくしていこうと
手を抜かずに…お金もかけて…大変だなーと思ってるんですけども(笑)
PS2なんで過去のハードより…制限がない事はないけど、かなり減らされてやりたかっ
た事ができるので…逆に今までのハードは逃げれた部分はあったんですよね。「出来
ないから仕方ないじゃないかー」って、それが逃げられなくなったというのは(PS2は)
凄いですよね。時間が有ればやりたいところまでやりたいハードですね。
だから今も時間との戦いですよね。これがね、あと２年作らせてもらえるなら凄いモ
ノもができるんですけども、そうもいかないじゃないですか(笑)

Ｅ３では触れるモノを出そうとしてます
−海外でも鬼武者は？
(鬼武者は)日本の伝統的な？戦国時代をモチーフにしていますので海外の人に見ても
らって「凄い！」と言ってもらいたいんですよ。西洋の人に東洋の日本って所って凄
いなーいいなーと思ってもらえるようなゲームにしたいなーと思っているんで…
海外でも注目はされているんでね、海外の人にも満足するようなゲームにしたいなー
と思っています。
Ｅ３が５月にあるんで大々的に鬼武者を出していこうと思っていますし、今回の
TGS2000春では鬼武者触れなくてがっかりした人もいたと思いますけど、Ｅ３では触れ
るモノを出そうとしてます。ですからロスに来てもらえれば…(笑)
でもそれだけの価値は有りますよ(爆笑)初めて触れる訳ですから

金城さんが考えたアイディアを盛り込んでいっていますんで
−金城武さんの担当の部分は？
金城さんってゲームの事を凄く詳しくってですねぇ。分かった方ですよ、素人として
は…って言い方は失礼ですけど…でも(僕らから見ると)素人じゃないですか？でもや
っぱりゲームの事を凄く分かっていて、(僕らと)一緒に作れるなーって感じですよ。
だから一緒に作れないなーと思うと僕らとしても(一緒に)ヤッパやりたくないですか
らね。
だから金城さんが考えたアイディアを盛り込んでいっていますんで。
詳しくは言えないんですけど…敵キャラを…敵キャラといってもザコじゃないですよ!?
凄く重要な敵キャラを金城さんに１コ任せていまして、演出、プレイヤーの登場から
敵のアルゴリズムまで全部任せてやっています。

先言うなー(爆)
−最後に気になる発売日は？
発売日はですねー……(スポット照明に向かって)暑いですねー
ありがとうございました(ぺこ)
−ちょ、ちょっと待ってください、帰らないでください(笑)
ここでですね−何月何日！と発表しようと昨日まで思ってたんですけどもー
−えー…えっ!?
さっき開発から電話がかかってきてー「(発表するのは)ダメだ」と…
−なんか目が泳いでますけど、ホントにー？(笑)
ちょっとねー今回だけは勘弁して欲しい(汗)
−絶対夏に発売だと思っていいんでしょうか!?
えとですねー「夏」というのはですねー、人それぞれによって捉えかたが違うと思う
んですよ(笑)８月だけを夏と捉える人もいれば、６月から９月までを夏と思っている
人もいるじゃないですかー、ね？
僕の夏はですねー６月から…
−……から１２月？(笑)
先言うなー(爆)…１２月までを夏だと思ってますんで(笑)
−季節感ないんですねー(笑)
でも必ず今年中には出します!!これは約束します!!
夏から…ちょっと寒くなった感じかなー…ちょっと半袖では寒いなー、鳥肌が立つな
ーってぐらいの時期には出したいなーと思っています。
皆さん、待ってくれていると思うんでね、ぜひ早めに出して楽しんでもらいたいなー
と思っているので、頑張りますんで…ちょっと許してやってください(笑)
最高の作品にしますんで！！

(全文じゃありません、ボケとツッコミは結構カットさせて頂きました、笑)
：Ｋｅｎ＋